2012年7月の幼稚園のお泊まり保育中に愛媛県西条市の加茂川で流され死亡した吉川慎之介ちゃん=当時(5)=の両親がこのほど、松山市文京町の愛媛大で講演し、社会で子どもの安全を守る仕組みづくりの必要性を訴えた。法文学部総合政策学科の講義の一環で、学生や住民ら約150人が聴講した。
 父の豊さん(46)は「遺族が知りたいのは、なぜ子どもが死ななくてはならなかったのか。原因を明らかにするのが責任で、再発防止につながる」と話し、保育や学校の現場で教職員への安全教育の義務化などを提言した。
 母優子さん(45)は、水遊びなどの際に子どもらへのライフジャケット着用の重要性を訴え「事故は予防できる。一つの事故から学びきり、防止に努めることが大人の課題だ」と思いを述べた。